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福祉の良質な組織
障害福祉の分野に参加して6年になる。12年前に障害をおってから、できれば社会のためになにか役にたてばいいと思っていた。分からないままにボランティアを始めた。当初は障害者年金を50歳で頂くことへの 罪悪感のような思いであった。せめてその金額以上の仕事をボランティアでお返しできればいいと思っていた。市民活動やNPOがマスコミに登場し始めたころでした。ボランティアに参加してみると意外と「情報」全般に遅れていることを痛感した。IT業界にいたのでなおさらで、書類整理やデータ分析などを手書きですることが多いのに驚いた。参加している方の大半が50才以上の男女でありことを考えると仕方ないと思えなくもなかった。ただ市民活動の多くは市民に活動を正確に伝えることになる。そのためにコンテンツ制作は重要であったが、手書きの味わいを色濃く残していた。私にとっては不思議な空間だった。その後障害福祉の事業所を運営することになった。その時に、この市民活動の経験が生きることになった。福祉分野は市民活動のそれよりもさらにIT化は遅れていた。若手の職員は使える者がいたが、オペレーションのみで情報の収集や分析、活用についてのノウハウを持っているものはいなかった。
事業所を作った時に以下のことを決めた。①情報の共有化 ②PDCAの推進 ③関連知識の習得 である。障害福祉の分野では、具体的には、障害福祉関連の知識、障害者が自立するための就労支援の技法、ITの習得と活用、情報学全般の社会的知識・・である。これらが分かる職員、このような知識が共有できる職員の養成を大切にしてきた。ただ「福祉と情報またはIT」は、現場では相当距離があったと感じていた。当初は私の説明する言葉さえ満足に伝わなかった。会議をしても、指示を出しても不思議そうな表情をしている職員を今でもはっきりと覚えている。手書きで利用者のフェースシートや個別支援計画を作成するのは、ごく自然な時代だったのです。
それが6年の歳月と職員の頑張りで、現在ではほぼ全ての情報が、デジタル化され、共有できる状態になった。若手の職員がPCをスピーディに操作し、計画書や報告書を仕上げていく。事業所が増えたのでネットによる情報の共有は不可欠になった。これからこの「情報」の意味を理解し、有効に福祉の現場で活用できる仕組みを構築する必要がある。福祉に有効なマネージメントと組織づくりに取り組んでいく。福祉に関わる者として“福祉こころ”を最も大切にした組織に仕上げることにしている。