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奈良版ソーシャル・ビジネス
奈良県でも地域活動は積極的に行われている。奈良NPOセンターを中心に県下でNPO法人の認証団体が350ほどある。活動の範囲は福祉、環境、農業、自然、子育て、防災、食品、文化など多岐に広がっている。私がボランティア活動を始めたころはこれらは「市民ボランティア活動」と称されていたけれでも、数年前から「コミュニティビジネス(CB)」と表現され、今日では「ソーシャル・ビジネス(SB)」といわれるようになってきている。その理由として、今までの活動は規模的に小さく、また個人の思いが中心であったり、地域が限定されることなどの理由で十分な活動の成果が期待できないとの判断からなのか、今度は社会的課題だけではなく、事業性やさらに革新性などの要素を含む程の規模になってきている。地域社会にある課題をビジネスの手法で解決し、継続的に効果が期待できる事業にしていくことがその趣旨のようであります。
奈良では大和野菜を研究し多くの野菜を再生させ、農家レストランを運営して生産と消費ルートを作り、地域の農業の活性化と食文化の継承に取り組んでいる方や大和茶の茶畑を古老から受け継ぎ、さらに有機栽培で安全でしかもおいしいお茶の生産と消費活動を行っている若者たちも現れ、奈良版社会的企業家、ソーシャル・ビジネスの旗手たちも出現するようになってきている。
ただ、この機会に現代社会でなぜCBやSBが必要になってきたのかを検証する”目”も持たなければいけないと考えています。日本の古き良き時代の家族や地域の文化や社会の仕組みがこの50年でほぼ崩壊し、一見最新文化を取り入れて近代的な生活が快適な生き方であるような錯覚をしてしまう状況を丁寧にリサーチすることの大切さを感じています。以前と比較して個人中心、核家族、利便な社会制度などに重きを置いている価値基準をもう一度振り返り、新たな取り組みの利点と欠点をこの機会に考えてみたいと思っています。